【第41回清里ワーク】カウンセリングレポート【アダルトチルドレン/インナーチャイルドワーク】

皆様、こんにちは。オフィスTヒーリングセンターの外川(とのかわ)です。

今年も10月の清里へ行ってきました!

清里の空気は、ヒンヤリしていて気持ち良かったです。
夜空に輝く星も、心に沁みました。

“やまなし”という名前の梨です。小さくて可愛い梨です。

今年も行く直前までまだ夏の名残りで暑い日が続いていました。
「朝晩は冷えてきましたから、羽織るものをお持ちください」と言われていたので、「何を持っていけばいいの?」「羽織るものと言っても、どんな羽織るもの?」「厚手と言っても色々あるよ~」と参加される皆さんも大変悩んでおられました。でも、確かに朝晩はニットの羽織るものが必要ではありましたが、昼間はそれほど寒くはありませんでした。

ですからまだ紅葉はしていなくて、ちょっと残念ではありました。
その代わりに今年は、有機ジャージー牛乳のおいしさを最大限に生かす理想のソフトクリームを目指し、構想から15年という特別なソフトクリーム「プレミアムソフトクリーム」というのが新発売で、いつもの倍のお値段でしたけれど、皆さんと一緒に「おいしい!おいしい!」と言いながら楽しくいただきました。

いつものことなのですが、初日は確かにちょっと寒いと感じるのですが、すぐに寒さ、空気感になれてしまいます。「人間ってスゴイな」といつも思います。すぐに慣れてしまうのです。
ワークの後、コテージに帰る夜道では、ヒンヤリした空気が気持ちよく感じました。

そんな秋の清里で、今回もたくさんの収穫を得てきました。もう長いこと清里でのワークショップを行っていますが、毎回素晴らしい体験をしています。

しかし、ACの癒しは、確かに難しい

なぜなら、ACは母親の呪縛に縛られているからです。

呪縛とは

*まじないをかけて動けなくすること

*あるいは、心理的な強制によって、人の自由を束縛すること

「お母さんの言うことを、ハイハイときく子がいい子なのよ」と言われ続けてきて、大人になった今も母親の呪縛に苦しんでいます。

子どもにとっては確かに、お母さんに好かれていたい。愛されていたい。

特にACの方々は、お母さんの言うことを聞かないと、怒られる、叩かれる、食事抜きになる、無視されるなど罰則がついてくるので、できるだけ怒られないようにしようとします。

あるいは、日々の生活の中で、「お母さんが可愛そうと思っていた」とおっしゃる方は非常に多いのです。

祖父母や、父親にいつも気を遣うお母さん、怒られているお母さん、文句を言われているお母さん。そういった虐げられている母親の姿を見て、可哀そう、いつも忙しくしている母親の姿を見て、自分までもが母親の邪魔をしてはいけない、迷惑をかけてはいけない、「お母さんを助けなきゃ」と母親を気遣い、いい子にしてきました。

そのような「母を守ろう」とする心が根底にあるものですから、それを手放して自分だけ幸せになろうとすることへの罪悪感にも縛られています。子供は、お母さんを心配して「いい子」をやろうとしているのに、そのお母さんから怒られたり、冷たくされたり切ない思いを持っています。ですからさらに母親の愛を求めてしまいます。なのでACの癒しは難しいのです。

仕事中に、「疲れた」と言ってはいけない。

参加者のAさんもその一人です。

疲れても頑張り続けているので、ストレスが満杯になってしまい感情が乱れてしまう。

家でリラックスしたことがない。

家でゴロゴロしていると「ゴロゴロしているなら手伝いなさい!」「勉強しなさい!」「~しなさい!」あるいは「だらしない!!」と見下すように言われる。

自分の身体であっても、自由に力を抜くこともできずに育つのです。

Aさん

常に緊張をしている状態です。リラックスするのが怖くなるんです。

体内感覚

ACの皆さんは、「ゴロゴロしてないで~~しなさい!」などと言われるたびに傷ついているはずなのに、サッとお腹の深くにしまってしまいます。傷つかなかったことにするのです。イチイチ傷ついていては、その場所では生きていけないからです。そんな風に過ごしてきたので、身体が感じる感覚に気づく力がとても薄いのです。
ですから、自分の体が疲れていることに気づきにくいことがあります。
人が怖かったり、コミュニケーションが苦手だったりしますから、日々職場に通うこと自体でも緊張が高いのです。
ですからとても緊張していて、身体はとても疲れているはずなのに、肩が凝っていることにも気づかないということがあります。
そもそも、「自分を大切にする」ということが分からないとおっしゃいます。
ですから、そうした自分の体が感じていること、体の中で感じる事(体内感覚)に気づける様になるのも癒しの大事なポイントの一つです。
感じなければ、ケアもできませんから。

そうやって生きて来たので、自分で考えることをしなくなり、自分が思うこと、すること、話すことは間違っている、だから余計に母親の言う通りにする癖がついてしまいます。

職場や学校では、友達や先生の言うことに合わせてしまいます。いつの間にか、自分を失ってしまいます。

ですから、ACの癒しは「育ち直し」というのです。

私たちは育ってくる中で獲得していくものがあります。幸福や愛もそうですけれど信頼感とか目的とか、よりよく生きていくために必要なモノですね。

でもそれは自然に備わっていくというものではなくて、例えば「自信」。

良く皆さんがおっしゃるのは「自信がない」。親や周りの人に褒められることは「自信」に繋がりますね。これで良かったのだ、上手にできたなど、周りの評価が良好なものであれば、誰でもうれしいし、自信になりますね。さらに「もっとやってみよう」と意欲も生まれます。そうして自分の力にしていくのですけれど、逆に怒られてばかりいたら、自分に対しても信頼感が無くなります。その一つ一つをあらためて獲得していくのが癒しと言えますね。

仕事がやりやすくなってきた

Aさんが、「最近、頭を使って仕事できるようになった」とおっしゃいました。
どういうことでしょう。そもそも仕事をするときには、頭を使うものと思いますが、Aさんはもちろん頭は使っているのですが、一つ一つに不安が付きまとっていたのです。
「こんなこと言ったら、どう思われるかしら?」「使えない奴と思われてないだろうか?」と、ネガティブな考えが湧き上がってきます。
Aさんも子供時代、「はい、はいと、お母さんの言うことをきく子がイイ子なのよ。」と母親に言われてきた一人です。母がいつも言うので、一生懸命、母親の言う通りにしてきました。それも、最も完璧に。それがイイ子。「ダメな子と思われたくない」から、ずっとそうしてきたのです。もちろん怒られるのもイヤでしたから。

でもそうしていたらいつの間にか自分で考えなくなりました。自分の言うこと、すること、思うことも、それは「間違っている」と思い込んでいたのです。
そしてさらに、子供の自由な発想や、無邪気な欲求も失ってしまったのです。

ですから、多くのACの人たちは、「どうなりたいの?」と聞いても答えられないのです。
夢や目標を持てずにいるのです。「今日一日が無事に終わることしか望んでいない」とおっしゃいます。これもACの苦しさですね。

Aさんは、自分が思うことは余計なこと。だから「余計なことは言わない方がいい。」それより、相手を満たすことに集中するようになっていました。
ですから大人になった今、とても生きにくくなってしまったのです。
特に課長に昇進してからは、さらにチームの人たちの顔色を見るようになってしまいました。

皆から嫌われないように、嫌われたら生きていけない・・・

子ども時代に思い込んだ「自分の言うこと、すること、思うことは間違っている」という、自分自身の間違ったイメージに振り回されていたのです。
そしてAさんは、「自分もやれば出来る」という自己効力感が育っていないことに気づきました。
自己効力感は、小学生~中学生の頃に養われるのですが、母親の言うことを聞いて、いい子をしてきたけれど、褒めて貰ったことがなく、怒られないための「イイ子」をしてきたので、自分に対して自信が持てなかったのです。

「ACの生きづらさ」は、それぞれの育ってきた環境や状況によって違いますが、育ってくる中で生まれています。
Aさんのように「親の言うことを聞く子がイイ子」という考えに支配されてきました。

ACの癒しは、まずその「親の呪縛から解放されていくこと」それが難しいのです。
「長年信じてきたものが違ってたんだ」「自分は悪くなかったんだ」という「歪んだ認知」から解き放たれて「新しい考え方」になっていく、いわゆる「考え方のくせ」や「感じ方のくせ」を変えていくということですから、難しいですね。
だからこそ、安心して関われる人との出会いは大切なのです。
人は人の中で癒され、成長していくものですから。

清里では、

3日間を共に過ごす中で、お互いの親密度も深まっていくのです。

Aさんもおっしゃっていましたが、「やはり清里に来ると、いつものグループの仲間同士でも、みんな自然の中でリラックスするのでしょうか、いつもとは違う親しさ」を感じるそうです。

3日間共に過ごすお部屋も上手に工夫して、1人1人のスペースを作り出して居心地良さそうでした。そういった力もコミュニケーションや思いやりを育てていくのに欠かせない力ですね。清里はそういう力も自然に育ててくれます。

清里では、ワークの一つ一つも自分を変えていくためのいい体験になりますが、それだけでなく、休憩時間やお食事タイム、一緒に温泉に入ったり、コタツに入っておしゃべりすることも、何もかもが育ち直しにつながる大事なモノなのです。

こういう時間を繰り返して味わってきたAさんは、母親の呪縛から少しずつ解放されて行かれて、お仕事も、余計な心配に時間を取られずに集中してできる様になり、充実した会社生活を送れるようになって来ました。
焦らずに、しっかりと自分に向き合ったからですね。

今回も、実り豊かな3日間でした。

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次回は、2025年 2月22日(土)~24日(月・祝日)です。

今年も雪が降ってくれたら、またソリで遊ぶ予定です。

早割:2025年 1月19日まで です。

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※初めての参加ご希望の方は

まずは1度、カウンセリングであなたの苦しさについてお聴かせください。

清里ワークについても、詳しくご説明させていただいております。