みなさん、こんにちは。オフィスＴヒーリングセンターの外川（とのかわ）です。
アダルトチルドレンの生きにくさ、インナーチャイルドの苦しさ、
怒られるのが怖いとか、コミュニケーションが苦手など、対人恐怖の苦しさから
回復するというのは、どのようなものなのか。
癒しを進めていくと苦しくなる頃があります。
それは、楽になりかけるとそこから先は「知らない世界」だからなのです。
健康的で健全な、暖かい人間関係を知らないので、健全になり始めると逆に怖くなるのです。
そこで、楽になられた方々の体験談をお話をさせていただきます。
愛子さん(４０歳・主婦)の場合
子供が幼稚園に通うようになって、「私って対人恐怖症なの？」と悩み始めました。
他のママさんたちと関わるのがとても怖くなってしまいました。
愛子さん ４０歳
主婦
同じクラスのママさんと、どのタイミングで、何をどう話して良いのか、人との距離感が分からず話の中に入っていけず、お迎えの時はいつも逃げるように帰っていました。
「そんな自分をどうにかしたい」ということと、子どもへの影響も心配でセッションに通うようになりました。
他の方の体験談を読んで、自分も楽になりたいと強く思うのですが、「他の人は楽になっているけど、自分はダメかも」と思ってしまい、カウンセリングを申し込むまでに時間がかかってしまいました。でもカウンセリングを受けていろいろなことが分かってきました。
そして私も皆さんと同じように楽になったんです。
アダルトチルドレンだと思っていませんでした
私は親から殴られたり蹴られたりなどの虐待は受けたことはありませんでしたし、着る物も食べるものも教育にも恵まれている方でした。
ですので、自分がアダルトチルドレンで、自分の家族が機能不全だったとは思っていませんでした。
でもセッションを重ねていくうちに、両親の仲は冷めていて、お互いに関心がなく食事の時もほとんど会話もなかったことや、そんな両親から言われることは勉強のことだけで、暖かいものが何もなかったこと、そして、そんな冷たい空気の中で幼い頃からずっと孤独を感じ、親と仲の良い友達の家がうらやましかったことなどを、感じないようにして生きてきたのだということが分かっていきました。
ですから大人になっても人と何をどう話したらいいのか、子どもにどう接すればいいのか、が分からなかったのです。夫ともしっくりいっていないのも当然でした。
セッションでは、そんな機能不全家族の中で身につけてしまった「考え方のクセ」「生き方のクセ」「感じ方のクセ」というものに、１つ１つ取り組んでいきました。
インナーチャイルドワークin清里へは何度も参加しました。グループセラピーにも参加しました。
結婚していて「おかしい」と思われそうですが、グループに参加してやっと、本当に自分が安心していられる場所と仲間ができたのです。
今では、ほかのママさんとも逃げずに話せるようになって、落ち込むことも少なくなりましたし、夫や子どもとも笑顔で話すことが多くなりました。
癒しをして本当によかった！！笑顔で話している私がいます！！
当初、「自分は変われるのか？」と不安だったのですが、一歩一歩癒しの道を歩いているうちに、ある時身体の力がスッと抜けて、自分の見ている世界に暖かさを感じたのを今でもはっきりと覚えています。
あの時、思い切って相談して本当によかったです。外川先生に出会えたこと、そして、いつも私のつらさに寄り添っていただいたことを本当にうれしかったです。そして、お互いに励ましあって、癒しの道を歩んできた仲間、一生の友となった皆にもとても感謝しております。本当に色々とありがとうございました。
愛子さん、取り組みの中には苦しくなる時もありましたが、良く頑張りましたね。
セッションを卒業されておめでとうございます。
取り組みは卒業ですが、日々ご自分を大切に生きてくださいね。
愛子さんのように、身体的な暴力がなかったから、虐待は無かったと思われて、やはり自分の性格がいけないのだと、自分を責めていらっしゃる方は多いものです。
また暴力があったとしても、「悪いことをしたのだから、殴られて当然」と思っていらっしゃる方もとても多いのです。
それがその家庭の日常なので、段々と苦しさがマヒしていくのですね。
子どもは、その家族の中で起きていることに順応しないと生きていけないので過剰適応していくのです。そしてそれが普通と思ってしまいます。
そして外の世界と関わるようになると、不具合が生まれるのですね。
子どもが伸び伸び暮らせる環境がなかったとしたら、家族と言っても、そこは安心な場所ではなくなります。
「家でリラックスしたことがない」「外の方が安心していられた」というのは良くお聴きするフレーズです。
虐待というと家(うち)は違うと思えてしまいますが、子どもが安心して伸び伸び育つことについては機能不全があると考えると理解しやすいかもしれませんね。あるいは、マルトリートメント（不適切な養育）と言いますが、そう考えると理解しやすいかもしれません。
アダルトチルドレンの癒しというのは、自分の家庭のこと、親のこと、小さい頃から見て来たものの真実を理解していく（自分に何が起きていたのか）が最初の取り組みです。その中で得られなかったもの（温かさ、信頼）を感じられるように、押し込めていた感情や感覚を取り戻していくのです。
感情が分かってくると、押し込めていたものが出てきますから、苦しいと感じる時期がありますが、自分が悪い子だからではないのだと分かっても来ますから、希望も生まれてきます。
晴美さん(３７歳・会社員)の場合
私の母親は、自分の気に入らないことがあるとヒステリックになり、私や兄弟を殴ったり蹴ったりしていました。
私は母のヒステリックが怖かったので「母親が気に入るように」「怒らせないように」といつも気を使っていました。
晴美さん ３７歳
会社員
父親はそんな母親を避けて仕事に逃げていました。私は母親の顔色を伺い、いつも恐怖と緊張でいっぱいの子ども時代を過ごしてきました。
人の目が怖かったんです
私の人生が上手くいかなくなったのは就職して６年目の時でした。ちょっとした失敗から「自分は本当にダメな人間だ」と思い詰めるようになり、人の目が気になりだしたのです。今から思うと、その前から恐怖を感じるくらい人の目をとても気にしていたのですがそれはただ感じないように押し込めていただけでした。
それからは対人恐怖の嵐に飲み込まれていくようでした。
それまで必死に作り上げた「自信のある私」はどこかに吹き飛び、自分に自信のない、人の評価や顔色に恐怖を感じる自分だけがいました。
「人からダメな人間だと思われる」「価値のない人間だと思われる」という思いは自分にとって真実のように感じました。ですので、人と話す時に目を合わせられない、字を書くときに手や体が震える、食事中も手の震えが気になり、人と話した後に「あんなことを言って嫌われたかも」と落ち込んでしまう。昼食もみんなと行けなくなりました。
もう自分がどう振舞ったらいいのかさえ分からなくなってしまいました。
本当に苦しくて苦しくてもう限界でした。
そんな時に外川先生の本に出会い、藁をもすがる思いでセッションを受けました。
最初に感じたのは「ここに来れば私は楽になれる！！」ということでした。
それから私のアダルトチルドレンの癒しが始まりました。
セッションへ通い、清里でのワークへ参加し、グループセラピーにも参加し、できることは何でもしました。「絶対私は楽になる！自分を変えていくんだ！！」と無我夢中でした。
そうしたら、だんだん自分が変化して楽になっていったのです！！
気が付いたら、自分で自分を大切にできるようになり、そして世の中の人が怖くなっていました。今ではいつも行くコンビニの店員さんとも気楽に話していますし、食事をする時も、字を書くときも、人と話す時も手や身体が震えることがなくなりました。たとえそうなっても以前ほど気にならないし、自分を責めることはなくなりました。
仕事へも意欲的になりました。「今日こそ、ダメな人間と思われ、嫌われるのではないか」と他人の評価を気にして恐怖を感じながらいくのではなく、今日する仕事のことなどを考えながら通勤するようになりました。
時々、昔のように怖い感覚になる時がありますが、それも短い時間で消えていくようになりました。
本当に昔の自分が嘘のようですが、今から思うと本当に必死に生きてきたんだと思います。そんな自分を愛しく思え、こんなふうに変われたのも外川先生をはじめ、支えあった仲間達がいてくれたおかげです。本当に感謝しても感謝しきれないくらいです。本当にありがとうございました！！
晴美さん、卒業おめでとうございます。
晴美さんのように、母親がヒステリックで…という方は多いですね。
親がヒステリックだと、他の人もそういうものだと思い込んでしまっています。
ですから人が怖いのは当たり前です。それでも人が怖いなんて、「自分はなんて情けないんだ」と思っているものです。
それに、怒鳴られるたびに、自尊心が傷ついていきます。
自分をＯＫと思えるはずがありませんね。
それでも多くの方が、「自分はダメな人間だから」「受け入れてもらえるはずがない」と恐怖と戦いながら頑張っています。それでは疲弊してしまうのも当然ですね。
晴美さんは、本当によくカウンセリングやグループの中で、自分にしっかり取り組んでいかれましたね。
頑張り過ぎずに、力を抜いて生きていきましょうね。
もっともっと、人と楽しく関わって生きていきましょうね。